2012年度に出題されている設題です。
あくまで参考資料としてご利用ください。
P6302 米文学史 科目最終試験 予想解答(6題)
【設題】エドガー・アラン・ポーとN.ホーソンについて、代表作をあげながら論ぜよ。
ポーは19世紀アメリカを代表する小説家・詩人・評論家の一人である。『アッシャー家の崩壊』(1839)は屋敷、不可解な病、怪奇現象など、ゴシック小説のモチーフが取り入れられた恐怖小説である。狂気もまたポーの多くの作品に見られる要素であり、『黒猫』(1843)ではその狂気から飼い猫と妻を殺害してしまう主人公が描かれる。怪奇現象も含まれている点で、『アッシャー家の崩壊』と同じく、この作品もまたゴシック風の恐怖小説と言える。
『モルグ街の殺人』(1841)は、初の推理小説と呼ばれる。天才的な探偵(デュパン)、それと対照的な凡庸な語り手という登場人物の配置、結末での推理の披露、意外な犯人像、密室殺人といった推理小説の諸要素をこの作品で作り出した。以後、現在に至るまで、推理小説の構成は、この原型をおおよそ踏襲していると言ってよい。
詩の分野では、フランス象徴派の詩人たちに影響を与えた。ただし、早い時期から短編小説に活躍の重点を移したこともあり、詩人としての活動期間...