東京福祉大学通信教育課程「専門演習Ⅰ」のレポート参考に。
「児童生徒の心の荒廃やストレスなどによる学校内でのいじめが大きな社会問題になっている。このことについて、学校や家庭等における効果的な対策を予防と指導の両面から述べよ。」
文部科学省の「生徒指導上の諸問題の現状」調査によると、2006年度に全国の国公立私立の小中高校が把握したいじめの件数は約12万5000件にも上り、前年度の6倍以上に膨らんだことが新聞記事となっていた。これは事実だが、この背景には、いじめの定義を緩和し、名称も「発生件数」を「認知件数」と改めて、アンケートや面接で児童生徒の声を聞くよう促したことなどがある。では、いじめの定義は従来とどのように変わったのか。
以前の文部科学省によるいじめの定義は「①自分より弱いものに対して一方的に、②身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、③相手が深刻な苦痛を感じているもの。」とされていた。しかし、「継続的」などの言葉が加えられたこの定義では、いじめの早期発見の原則と矛盾することなども考慮してか、2007年1月にはこの定義が見直され、次のようなものに緩和された。すなわち「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的・物理的な攻撃を受けたこ...