1997年に介護保険制度が創設された背景には、医療の進歩により介護を必要とする期間の長期化、介護が家族に与える身体的、精神的な負担が大きいということ、核家族や高齢者世帯、独居老人の増加など家族形態の変化などが挙げられる。
介護保険制が創設されるまでは、高齢者に介護サービスを提供する社会保障制度として、1963年に老人福祉法が制定され、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定などが挙げられる。従来の措置制度では、市町村の措置権者の判断でサービスが提供されていてサービス利用者の選択権や事故決定権という考えはなく救貧主義と恩恵主義が強く出ていたのに対し、介護保険法では利用者が事業者や施設を選び、契約を結びサービスを利用する形になっている。利用者主体で、その人に合ったサービスを利用しやすくすることが目的である。
平成17年の介護保険法改正により、介護予防が見直され、地域包括支援事業が実施されることとなり、地域包括支援センターの運営が始まった。制度が始まってから3年経過する間、被保険者は2165万人~2393万人と10.5%...