(教育原理)素質と環境との関係によって人格の形成されていることを、自己の過去を顧みて具体的に述べよ。
人間の子どもは成長して人間となり、形成されてその人となる。その大きな要因となる素質と環境の関係について自己の過去を顧みて考察したい。
人間形成の要因は、大きく分けると先天的なものと後天的なものから成り立つ。先天的な要因とは、祖先以来持ち続けてきた遺伝的因子というものであり、両親に容姿が似ているといったような、生まれながらにもっているものである。しかしながら人間には、よく似た人はいるが、顔や姿、形などの外形上、さらに性格、知識、能力、感じ方、考え方など、人間としての内容に至るまで、全く同じという人は絶対にいない。つまり、一人の個性的な人間になる素質をもって生まれてくるのである。そして、この素質は人間形成の可能性を保障する基礎的な要因である。
先天的な要因である素質が、よりよく実現するためには、どのような後天的な条件、すなわち環境が必要であるかということが最も重要になってくる。なぜなら、どんなに優れた人格や能力を持っている人でも、生まれつき持っていたわけではなく、生まれてから後の環境...