近年、商品の安全性が疑問視されるような事件が多く発生している。特に食の安全に対する消費者の意識も高まっているところであるが、安心できる円滑な消費生活を送るためには、商品や市場システムの安全性確保が大変重要である。そこで今回、商品と市場の安全性について述べる。
商品学 分冊2 商品と市場の安全性について
近年、商品の安全性が疑問視されるような事件が多く発生している。特に食の安全に対する消費者の意識も高まっているところであるが、安心できる円滑な消費生活を送るためには、商品や市場システムの安全性確保が大変重要である。そこで今回、商品と市場の安全性について述べる。
消費者の権利を確保する視点に基づき、1968年、ケネディ大統領時代に作成された消費者の4つの権利に対応するのが消費者保護基本法である。これは、安全である権利に対する危害防止と試験検査等の設備の整備、知る権利に対する計量・規格の適正化、選ぶ権利に対する公正な競争の確保、そして意見をいう権利に対する意見の反映と苦情処理体制の整備である。なかでも商品の安全性は、消費者の権利として社会的必然性をもって認識されることとなった。
しかしながら、商品の安全性の議論は、その本質的重要性の故に、幅広く、奥も深い。商品の品質評価や安全性の判断を消費者の責任(買い手危険負担)としたところから、売り手も応分の責任をもつ(売り手危険負担)へと意向が言及されることとなった。
2004年には、この消費者保護基本法が改...