佛大通信の教育社会学のレポート第2設題です。A評価を頂きました。参考にしてください。
教授からの講評:学力低下やゆとり教育の背景に、階層間格差や社会的不平等との関係があることについて正確に理解できています。テキストに沿ってしっかりまとめられています。
『学力低下とは何かを明らかにし、社会階層のような社会的不平等と学力がどのような関わりをもつのかについて述べてください。』
今、学力低下が非常にセンセーショナルに論じられている。大学生に限ってみれば、学力が低下しているという議論は別に古いものではない。これまでの大学生の学力低下は、ある意味で大衆化の必然的な帰結であった側面もある。大学生の学力低下は、要するにこれまでに大学に入れなかった層が大学生になることによって、引き起こされていたともいえるのである。したがって、そういう事態が望ましいかどうかは別として、全体的には、教育水準が上昇することによって、新しい世代は前の世代以上の学力を身につけているであろう(少なくとも劣ることはない)ということが暗黙のうちに了解されていた。
しかし、今日展開されている議論は明らかにそれらとは異なる。過去の議論とは質が異なるからである。新しい世代の学力が前の世代の学力に及ばない、縮小再生産の過程が始まったのではないかという疑念があるところに、根本的かつ深刻な問題があるのである。こういった疑念のさらに根本にあるのは、「学ぶ」、「勉強する」ということに対する価値...