ホスピタリズム(施設病)とは、病院、乳児院や養護施設など母親から離れた環境で育てられたこどもに発症しやすい発育障害・情緒障害、人間関係を築く上での問題などを指すものである。身体の発達の遅れ、睡眠障害、運動能力の低さ、他人に対する無関心や消極性、攻撃性などそれらの症状を総称してホスピタリズムという。
R.A.Spitzは、2種類の施設と普通の家庭の乳児について継続観察を行っている。施設のうち一方は衛生面では配慮されているが、保育担当者はこども10人に対して1人であり、もう一方は、設備は最低限度のものであったが、こども2人に対して保育担当者が1人であった。後者のこども達は、普通の家庭のこども達と同様に成長したが、設備が整っ ているはずの前者では、死亡率が高く、自閉的な傾向を示し、精神遅滞が顕著であり、身体や運動、言語、身辺自立も貧弱であったという。また、J.Bowlbyは、ホスピタリズムを原因論的に捉え、情愛のない性格が形成されるのは母性的養育の剥奪(マターナル・デプリベーション)によるものであることを示し、これらの症状の発生は施設に特有の現象ではなく、一般家庭にも起こり得る事を示唆した。母親との愛着(アタッチメント)を形成する機会が少なく、自己対象を得られないこどもは、他者への信頼感を獲得することができずに、強い孤独感と無力感を感じ、次第に無関心、無感動、無表情になっていくのである。
【設題】ホスピタリズムについて学んだことを800字以上にまとめて記述して下さい。
ホスピタリズム(施設病)とは、病院、乳児院や養護施設など母親から離れた環境で育てられたこどもに発症しやすい発育障害・情緒障害、人間関係を築く上での問題などを指すものである。身体の発達の遅れ、睡眠障害、運動能力の低さ、他人に対する無関心や消極性、攻撃性などそれらの症状を総称してホスピタリズムという。
R.A.Spitzは、2種類の施設と普通の家庭の乳児について継続観察を行っている。施設のうち一方は衛生面では配慮されているが、保育担当者はこども10人に対して1人であり、もう一方は、設備は最低限度のものであったが、...