社会が激動し、価値観の流動化が進み、現代日本は、少子高齢化というかつてない状況をもたらしている。出生率が継続的に低下し、厚生労働省の統計によれば、2008(平成20)年の出生数は約109万人、合計特殊出生率は、1.37となり、第二次ベビーブームのピークである1973(昭和48)年のほぼ半数となっている。この他にも保育所待機児童の増加や、子どもの虐待など子どもが育つこと、子どもを生み育てることを社会が正当に評価していないため、子育ての苦労が喜びを上回り、厭われていくのである。
もともと子育ては、地域や親族などの互助を前提に行われ、戦後制定された児童福祉法もこの互助が前提となって成立している。し...