佛教大学通信、「道徳教育の研究」第1設題(道徳教育の意義について述べよ。)のA評価レポートです。
採点者の所見は「設題の趣旨に合致して、よいリポートです。」でした。
学習を進める上での参考にしてください。
なお、1ページ6行目の「日高太郎」は、「日高六郎」の誤りです。お詫びして訂正します。
第1設題 道徳教育の意義について述べよ。
まず、最初に道徳とは何であるか規定しておく。辞典の規定によると、大辞林では、「ある社会では、人々がそれによって善悪正邪を判断し、正しい行為をするための規範総体。法律とは違い外的強制力としてではなく、個々人の内面的原理として働くものをいい、また宗教と異なって超越者としての関係ではなく人間相互の関係を規定するもの」と述べられている。しかしながら、日高太郎は「道徳は社会規範の一つ」であり、それは社会的一般化し、是認され、ある程度強制されるものであるとする。つまり、道徳には個人の自発性に支えられている部分と、社会から強制されている部分の二つの側面が存在する。
このような道徳を子どもたちにどのように教えるかが道徳教育である。大辞林によると、道徳教育は「社会において望ましいと考えられている価値観や価値体系に基づく意識や行動様式・生活態度の形成をめざす教育」と定義され、日高の言う様に、道徳教育は国家社会の成員として規制を受けていることがわかる。
では、道徳教育はどのような場で為されるべきなのだろうか。平塚益徳は、教育の中核である道徳教育はただ単に学校教育のみ...