1.判決要旨
株式会社の代表取締役が、自己の利益のため会社の代表者名義でなした法律行為は、相 手方が右代表取締役の真意を知り、または、知りうべきものであったときは、民法93条を類推適用し、会社に対し効力を生じない。
2.事実の概要
X会社の代表取締役の一人訴外A(江川)は、昭和27年3月末限りで退職したが、その辞任登記は約1年後の昭和28年4月16日になされた。
代表取締役の権限濫用行為の効力
――最高裁昭和38年9月5日民集17.8.909――
1.判決要旨
株式会社の代表取締役が、自己の利益のため会社の代表者名義でなした法律行為は、相 手方が右代表取締役の真意を知り、または、知りうべきものであったときは、民法93条を類推適用し、会社に対し効力を生じない。
2.事実の概要
X会社の代表取締役の一人訴外A(江川)は、昭和27年3月末限りで退職したが、その辞任登記は約1年後の昭和28年4月16日になされた。ところがその間、Aは、X会社を退任しているにもかかわらず、X会社の社印等を持ち出し、昭和27年11月7日にX会社の唯一の財産である建物をY1会社に売却し、同年12月6日に所有権移転登記を完了した。その後、Y1会社は昭和28年10月30日にY2組合に本件建物を売渡し、同年11月5日に所有権移転登記を完了した。Y2組合はY3と同日からこの建物を共同使用し占有している。
そこで、XはY等に対し、所有権の確認、所有権移転登記の抹消、建物の明渡並びに不法占有の後である昭和29年12月6日から明渡済まで1ヶ月15,0...
これで300Pは高すぎ…