1 小問(1)
裁判所は訴因とは違った心証をもっている。
↓(そうすると)
裁判所が有罪を認定するために訴因変更(312条1項)が必要か否かは、裁判所の抱
いた心証が訴因の同一性の範囲内か否かによる。
↓(そこで)
いかなる場合に、訴因の同一性が失われ訴因変更が必要か、訴因の意義と関連して問
題となる。
(1) 審判の対象を控訴事実と解する立場からは、訴因は被告人の防御のために控訴事実の法律構成を示したものとなる(法律構成説)。
次の各場合において、裁判所が有罪を認定するには訴因変更が必要か。
被告人甲は、A女に対する強姦未遂の訴因で起訴されたが、裁判所は、甲の暴行・脅迫は強盗の目的でなされたとして強盗未遂であるとの心象をいだいた。被告人は公判廷で暴行・脅迫の事実を認め、それは強盗の目的で行った旨供述している。
被告人乙は、当初強盗致死の訴因で起訴されたが、裁判所は傷害致死であるとの心証をいだいた。
1 小問(1)
裁判所は訴因とは違った心証をもっている。
↓(そうすると)
裁判所が有罪を認定するために訴因変更(312条1項)が必要か否かは、裁判所の抱
いた心証が訴因の同一性の範囲内か否かによる。
↓(そこで)
いかなる場合に、訴因の同一性が失われ訴因変更が必要か、訴因の意義と関連して問
題となる。
審判の対象を控訴事実と解する立場からは、訴因は被告人の防御のために控訴事実の法律構成を示したものとなる(法律構成説)。
↓(しかし)
当事者主義的訴訟構造を採る現行法(256条6項、298条1項、312条1項等)では、審判対象の一方当事者たる検察官の具体的犯罪事実の主張である訴因と解さ...