「福祉計画と福祉行財政について述べよ。」
1.福祉計画とは
福祉計画とは、国や地方公共団体によって行われる客観的な情報分析に基づいて、到達すべき未来の目標を検討し、目標を達成する期限を設定し、目標達成に向けてさまざまな方針、手段、実施主体、方法など詳細な検討を行い、目標達成に向けた基本的事項を明らかにすることである。
福祉計画が登場したのは、平成になってからであり、まだ新しいものである。福祉行政が予算制度を軸に実施され、需要が高まるものに予算をつける財源配分方式が取られており、積極的な社会資源の開発や予防よりも、援護を要する者に対しての事後的、個別対応策という考え方であったためである。福祉計画が登場する背景は、第一に社会福祉の領域の拡大、少子高齢化社会の到来と共にサービスの絶対量がかつての福祉三法段階から比較できないほどに増大しており、これらのサービスや関連する諸資源を効率的に調達したり、提供したりする際に、社会福祉政策の計画化の技術が必要とされるようになったことがあげられる。第二に福祉行政の実施体制と連動して社会福祉協議会による地域福祉の開発が進んでおり、このなかで地域計画策定が...