2011年6月に提出したレポートです。
第2設題『適応・不適応の心理的機制、またそれらからひき起こされる特徴的行動について説明せよ。』
⇒「適応」とは、我々が自らの欲求を充足させるという目的のために環境や様々な諸条件と自らを調和させる際にとる態度や行動の調整のことを指す。人間は適応するために、目標を定め、そのために学習や訓練を繰り返し、時には自らを変化させ、また時には環境そのものを変えてしまおうと試みるなど、自らの行動や態度、姿勢を柔軟に調整することができるのである。適応は多くの場合我々自身の欲求を満たすために必要な行動であり、適応することによって我々は自分にとってより積極的な生を展開できると感じ、自分自身、時には環境をも変革し、状況を操作するのだ。しかしながら、自分自身が思い描くままに自ら、もしくは環境を操作できることが常であるはずがなく、時として人は自らの欲求充足を阻害する障害や困難に直面する。そのような場合に我々の前に立ちはだかる障壁に対処する方法を模索する心的機能の基礎となるもの、言うなれば適応というゴールを阻む障害を何とかしようとする機能を「適応機制」と呼び、主に「抑圧」、「合理化」、「補償」、「代償」、「置き換...