1.問題の所在
面接交渉権とは、離婚等によって親権者もしくは監護者ではないために、現実に未成年の子を監護・養育していない親が、その子と面接したり、文通・電話などで交流したりする権利と定義される。この面接交渉権については、欧米諸国は法制度的に認められているが、直接的な明文規定を持たないわが国においては、これを法的権利として把握しうるか自体がまず問題とされ、さらに審判対象性が問題とされている。
2.判例
子の監護に関する処分としてはじめて審判で面接交渉を命じて以来(東京家裁昭和39年12月14日審判)、面接交渉認容審判が累積、恒常化する中で、次の最高裁決定を生むこととなった。すなわち、婚姻関係が破綻して父母が別居状態である場合であっても、子と同居していない親が子と面接交渉することは子の監護の一内容であり、父母間で協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、家庭裁判所は、766条を類推適用し、家事裁判法9条1項乙類4号により面接交渉について相当な処分を命ずることができる(最高裁平成12年5月1日決定)。
こうして、最高裁は、親と子の面接交渉は766条の「子の監護に関する...