同志社大学:ワイヤレス通信期末レポート

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    資料紹介

    理工学部インテリジェント情報工学科
    講義科目:ワイヤレス通信
    2008年度過去レポート資料
    通信の歴史

    資料の原本内容

    1.通信の始まり

     通信の歴史の上で、最古の通信手段はのろしと言われている。記録に残っているもっとも古いものは紀元前1184年、トロヤ陥落に際してギリシャ軍がのろしを使い、8か所の中継でエーゲ海を渡り、555km離れたミケネ宮殿まで1日足らずでその情報を伝えたという記録がある。また、紀元前100年ごろのギリシャで、のろしによるテレグラムというものが考案された。それは、5つののろしを同時にあげられるのろし台を2組準備し、それぞれの台からあげるのろしの数を1つないし5つに選ぶと、5×5の25種類の情報を送ることができる。実際にはギリシャ文字は24文字であるから、この方法で文字による通信ができた。中国でも紀元前2~1世紀には敦煌周辺の砂漠地帯に、火炎信号のための44か所の見張り台があったがことがわかっている。なお、太鼓など、音も情報伝達に使われたが、音波は風により消されたりもするし、光に比べて通達距離が短かったと考えられる。その他に、人が紙を発明してから、紙媒体で人または伝書鳩などが運ぶことによって情報通信を行ってきた。のろしに至っては最初の光通信として当時の通信手段では最も高速なものであることから、現代になって見直されている。これらのことから、歴史的にも遠距離の通信手段には主に光が使われており、またどちらかというとディジタルな通信であったことがとても興味深い。
    2.近代の遠距離通信

     現代の通信技術のもととなっている遠距離通信方式は、今から200年ほど前から始まった。1つはフランスをはじめヨーロッパで望遠鏡の発明に伴って普及した腕木信号機方式で、一例としてシャップにより考案されたものがある。これは連結された3本の腕木の曲げ方で文字を表し、これを遠方から望遠鏡で見るという単純なものである。556か所の中継で、総延長通信距離は4800kmに及んだといわれている。
    図 1:シャップの腕木信号[1]
    3.電気通信のはじまり

     一方、電気による通信手段の試みは、まず静電気によるものが18世紀の後半にあったが、当時電気を一定に出力するものがなかったため、あまり発達しなかった。しかし、1800年にボルタが、ルイジ・ガルヴァーニがメスで蛙の神経を刺激すると筋肉が痙攣することを発見したのを知り、追試をしたところ、2種類の金属の間に湿った布を挟むと電池ができることを発見した。これによって安定な電源が得られ電気に関する研究が急速に進展し、電気技術発展のきっかけとなった。

     モールスらが電信機を発明したのが1835年であるが、モールス信号と呼ばれるトンとツーとスペースの組み合わせによる符号は、印刷工場にある活字の数を参考にして、出現頻度の高い文字に対して短い符号を割り当てたといわれており、すでに情報の符号化の手法の基礎ができていたことは驚きである。この方式による通信手段は20世紀の後半まで、150年間も使われてきた。
    4.電話の発明

     これらはいずれも1字ずつ文字を送る、ディジタル通信になるが、一方、アナログ方式は、ベルによる電話の発明(1876年)からといえる。音声によって送話器に流れる交流電流が、そのまま有線伝送路を通して相手の受話器でもとの音声に変換され、直接耳で聞く方式である。この技術は言うまでもなく現代まで続いている。
    図 2:ベルが電話機で話す様子[2]

    5.無線通信

     電波は、マクスウェルが理論的に存在を予言し、ヘルツによって実験的に確かめられたが、これを通信に実用化したのはマルコーニによってである。今から100年ほど前であり、モールス電信信号を電波に乗せて送る無線電信であり、タイタニックの遭難以来、特に海上船舶との通信手段として重要なものとなった。

     電波の利用として、1920年には音声波形で振幅変調した放送がアメリカピッツバーグで開始され、その5年後には東京放送局が開局している。ほぼこのころから長距離国際回線にも無線電話が使えるようになった、また1925年には画像を伝送できる白黒テレビが、その3年後にはカラーテレビが発明され、現代のカラーテレビ放送の基礎が築かれた。
    6.宇宙通信の開発

     1957年ソ連がスプートニク衛星の打ち上げに成功し、世界の宇宙開発競争が始まったが、最初に衛星を遠距離通信の中継に使ったのはアメリカで、スプートニク打ち上げからわずか3年後の1960年であった。当初はアルミ箔をはった風船衛星に地上から通信の電波を当て、その反射波を離れた受信店で受けるという受動的なものであったが、その2年後には、現在の衛星通信に使われているような、能動的な方式、すなわち衛星に送受信アンテナと中継器を搭載する方式へと発展を遂げ、さらに放送にも衛星が使われるようになった。
    図 3:スプートニク1号[3]

    7.光通信の発展

     のろしによる通信は光によるものであるが、光源は広い波長範囲を含む放射であり、伝送路は大気中で、受光は人間の目であった。現代の光通信はレーザの発明と、損失の少ない光ファイバの発明による。レーザはマイマンにより1960年に発明されたが、最初のものは通信には不適であった。その後、室温で連続発振する半導体レーザが発明され(1970年)、またそれが長寿命化された(1977年)。また、光ファイバも、安価にできるようになった。この2つの進歩によって、光ファイバ通信は現在のように急速に普及・発展することになった。
    図 4:光ファイバ
    8.コンピュータの発展

     一方、コンピュータは、1946年に真空管式のコンピュータENIACが登場してから急速に発展し、真空管式からトランジスタに変わり、またLSI化され、それによりマイクロプロセッサが作られ、さらにパーソナルコンピュータへと発展していった。コンピュータは本来、ミサイルの弾道の計算などの数値計算のためのものであったが、ワードプロセッサのように情報処理としての役割が増え、現在ではそれらがネットワークでつながって、情報通信の端末としての役割も大きくなっている。
    9.まとめ

     以上で、通信についての各分野の歴史を簡単にまとめた。通信技術ははるか昔から存在し、今の通信技術にいたる。ここで通信技術は軍事目的によって発展してきたことがわかる。そして通信技術の利用は、軍事目的から個人へと移っていき、発達のスピードを増し、現在ではいつでも、どこでも、誰とでも携帯電話やパソコンによって通信が可能となり、通信がよりパーソナルでかつより多目的になったことがわかり、これからもこの方向性で発展していくだろう。
    ---参考文献----------------------------------------------------------------------------------------------------------

    [1] http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%85%95%E6%9C%A8%E9%80%9A%E4%BF%A1

    [2] http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E8%A9%B1

    [3] http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%8B%E3%82%AF1%E5%8F%B7

    [4] http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%89%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC

    [5] http://www.geocities.jp/hiroyuki0620785/k0dennsikotai/51d45history.htm

    [6] http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%9A%E4%BF%A1%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%81%AE%E5%B9%B4%E8%A1%A8

    [7] http://www.jomon.ne.jp/~ja7bal/rekishi.htm
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