問題1:予算の法的性格について考えよ。
予算は、一会計年度における歳入歳出の見積りであるが、単なる見積表ではなく、政府の行為
を規律する法規範である。しかし、予算の法的性格については、予算は行政措置の一種であり、
政府の議会に対する意思表示にすぎないとする予算行政措置説、予算は法律の一種とみる予算法
律説、予算は「予算」という独自の法形式とみる予算法形式説が対立している。これらのうち、
予算法形式説が妥当である。すなわち、予算は、国家機関を拘束するのみで、直接に一般国民を
拘束するものではなく、また、予算の効力は、一会計年度に限られ、さらに、予算は、国会の議
決によって成立し、それは政府の財政行為を拘束するが、政府の収入支出の権能や義務そのもの
は予算によってではなく、法律によって定められることから、予算は法律とは異なる独自の法形
式である。
問題2:国会は予算について減額ないし増額して修正することができるか。
予算の減額修正については、日本国憲法が明治憲法第67条のような減額修正を制限する規
定を設けていないこと、また、財政国会中心主義に立脚していることから、国会は無制限に減額
す...