WTO(世界貿易機関)の内容とそれ以降の貿易の変化について述べなさい。参考文献有り。
ウルグアイ・ラウンドの結果、1995年1月1日に世界貿易機構(WTO)が誕生した。第二次世界大戦直後のITO構想から半世紀を経て、ようやく貿易に関する国際機関が誕生したのである。GATTの諸規定は、WTOが管理する諸規定に置き換わり、WTOは正式な国際機関として加盟国に貿易交渉の場を提供することになった。
ITO憲章(ハバナ憲章)の暫定的協定としての性格しか有していなかったGATTとは異なり、WTOはWTO設立協定で認められた正式な国際機関である。このWTOはIMFおよびIBRDと並ぶ国際機関として、国際貿易体制を支える大きな柱になることが期待されている。WTOの本部はスイスのジュネーブに置かれ、153ヶ国(2008年10月現在)が加盟しており、現在、30ヶ国・地域が加盟申請中である。このように、WTO加盟国が拡大するにつれて、WTOは今やあらゆるビジネス分野から注目を集め、大きな求心力をつけた国際機関になりつつある。
GATT時代は、締結国団が最高意思決定機関であり、年に1回総会を開催していた。WTOにおいては、少なくとも2年に1回開催される閣僚会議が最高意思決定機関である。こ...