『中学・高校における生徒指導の原理は何か、また、その際に留意しなければならないことは何か、説明してください。』
(1)生徒指導とは何か
文部省より発刊された『生徒指導の手びき』によれば、生徒指導とは教育目標を達成するための機能のひとつであるとし、「すべての生徒のそれぞれの人格のより良き発達を目指すとともに、学校生活が、生徒の一人一人にとっても、また学級や学年、更に学校全体といった様々な集団にとっても、有意義にかつ興味深く、充実したものとなるようにすることを目指す」と記されており、各教科の授業や特別活動など教科課程、休憩時間や放課後など教科課程以外の領域、それらすべての指導要素が、効果的に連携し、機能することによって、自己指導能力や自己教育力を高めて自己実現が可能となるような資質・態度の育成が図られる。つまり、生徒指導は、教育の全般に関与する活動であって、教育そのものといっても大きな誤りではないのである。
「生徒指導の手びき」によれば、生徒指導の原理として4点をあげており、それは、①自己指導助成のための方法原理、②集団指導の方法原理、③援助・指導の仕方に関する原理、④組織・運営の原理、...