地域福祉論の課題レポートで、地域福祉の歴史的発展の考え方と地域トータルケアシステムについてまとめたレポート(A判定)です。2000字程度。
科目名:地域福祉論
設題名:「地域福祉の歴史的発展と地域トータルケアシステムについて述べなさい。」
◎地域福祉の歴史的発展
生活が地域を範域として成り立つかぎり、広い意味での「地域の福祉」の歴史はずっと古い時代に遡ることができる。しかし、地域福祉の領域が成立するのは、戦後の高度経済成長期からのことであり、特に1970年代以降に新たな社会的背景と意義を持ち、政策として登場する。コミュニティケアやノーマライゼーションの考え方が定着するようになるのもこの頃からであるが、そこに至るには長い歩みがあり、その過程が現在のあり方にも影響を与えている。
江戸後期に、二宮尊徳による、小地域社会を再建することで、広域の地域社会を再建するという考え方を基本とした、「報徳思想」の活動で、小地域社会を重視した視点に地域社会の考え方の萌芽がみられる。
明治から戦前にかけては、物価の高騰や米不作、貧困者の増加といった厳しい社会状況にあり、国により恤救規則という救貧制度が制定されるが、それは慈恵的で限定的な制限扶助主義で、全ての貧困窮者のためのものではなかった。そういう中で、欧米の慈善事業や隣保事業といった福祉...