更生保護の実際と今後の展望について
「更生保護の実際と今後の展望について」
1.更生保護とは
更生保護とは、犯罪や非行に陥った人も立ち直ることができるという、人間に対する信頼や可能性を下に、犯罪や非行に陥った人の立ち直りの支援をし、犯罪防止のためのさまざまな活動を行うことを言う。
更生保護の活動の中心は、保護観察である。保護観察の仕事は、保護観察所が行っているが、通常、専従の国家公務員である保護観察官と地域の民間ボランティアである保護司が、それぞれの特性を生かし、協力してこれに当たっている。
2.保護観察官の業務の実際
保護観察官の業務内容としては、面接等により、保護観察対象者と接触を持ち、その行状を把握した上で、対象者が遵守事項を遵守し、生活行動指針に則して生活および行動するよう必要な指示を行う他、特定の犯罪的傾向を改善するための専門的処遇を実施する等している。また、対象者が自立した生活を営むことができるようにするため、必要に応じ、住居の確保や就職の支援なども行っている。
では、保護観察の実際とはどのようなものであろうか。ここでは、性犯罪からの回復支援を例に述べてみたい。
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