●東南アジア島嶼部、インドネシアに生息している2つ民族を事例としてあげる。
ダヤック…ボルネオ島インドネシア領に生息。
カジャン…南スラウェシに生息。
? ダヤックの概要
四五〇〇年くらい前に、オーストロネシア諸語を話す人びとがフィリピンボルネオ島に移住。
それらの人びとがボルネオ島の先住民であり、ダヤックはその先住民のうち、イスラーム教徒でもマレー人でもない人びとの集団をさす。
(1) ダヤックの類型
・森林を中心とした二つの様式の生態系→狩猟採集民族、焼畑民族
・焼畑民族の社会構造は二つに分かれる→社会成層を持つ集団と平等的社会を持つ集団
・七類型に分けられるが、五類型にまとめて以下で概説する。
(イ)狩猟採集民族(プナン系諸族)
(ロ)ボルネオ中央の社会成層を有する焼畑民族(カヤン=ケニァ系諸族)
(ハ)ボルネオ西部の平等主義的な焼畑民族(イバン系諸族)
(ニ)ボルネオ南部の穏やかな社会成層を有する焼畑民族(バトリー系諸族)
(ホ)ボルネオ北東部の平等的な焼畑民族(ドゥスン系諸族)
(2) ダヤックの世界観と信仰
・ダヤック人に共通して見られる創世神話
天の神と海の神が性交し、半神半人の息子と娘を造り、その息子と娘が近親相姦して人間を産んだ。
・ダヤック人の二論的世界観「上界と下界、二元の統一」
上界→鷹、男性、首狩りを連想させる。下界→蛇、龍、女性、農業を連想させる。
したがって、首狩りの儀式と農耕儀礼はともに生命力あるいは豊作を獲得し増加させるための中心的な信仰になる。また、精霊も重要な存在である。精霊は上界、下界、人間界のどこにでもいて、人間を守ってくれたり危害を加えたりする。
オセアニア文化研究
東南アジア島嶼部、インドネシアに生息している2つ民族を事例としてあげる。
ダヤック…ボルネオ島インドネシア領に生息。
カジャン…南スラウェシに生息。
Ⅰ ダヤックの概要
四五〇〇年くらい前に、オーストロネシア諸語を話す人びとがフィリピンボルネオ島に移住。
それらの人びとがボルネオ島の先住民であり、ダヤックはその先住民のうち、イスラーム教徒でもマレー人でもない人びとの集団をさす。
(1) ダヤックの類型
森林を中心とした二つの様式の生態系→狩猟採集民族、焼畑民族
焼畑民族の社会構造は二つに分かれる→社会成層を持つ集団と平等的社会を持つ集団
七類型に分けられるが、五類型にまとめて以下で概説する。
狩猟採集民族(プナン系諸族)
ボルネオ中央の社会成層を有する焼畑民族(カヤン=ケニァ系諸族)
ボルネオ西部の平等主義的な焼畑民族(イバン系諸族)
ボルネオ南部の穏やかな社会成層を有する焼畑民族(バトリー系諸族)
ボルネオ北東部の平等的な焼畑民族(ドゥスン系諸族)
(2) ダヤックの世界観と信仰
ダヤック人に共通して見られる創世神話
天の神と海の神が性交し、半神半人の息...