(2010年配本)
運動が児童の発育・発達及び健康や体力に及ぼす効果と逆効果について考察せよ。
子どもにとって運動は、体力の向上や肥満防止だけではなく、疲労からの回復力や危険からの回避能力を向上させることや、ストレスを解消するなど様々な効果があげられている。適切な運動やスポーツは体力を向上させるが、度を超えた運動はスポーツ障害や熱中症やけがを引き起こす可能性がある。また、チーム内の過剰なレギュラー争いや、厳しい上下関係、試合での緊張などがストレスになり、子どもたちのスポーツ離れにつながることもある。
学習指導要領では体育科の目標を「心と体を一体としてとらえ、適度な運動の経験と健康・安全についての理解を通して、生涯にわたって運動に親しむ資質や能力の基礎を育てるとともに健康の保持増進と体力の向上をはかり、楽しく明るい生活を営む態度をそだてる」としている。これは運動が児童の生涯にとって必要であることを示しているといえるだろう。
運動は健康にいいというが、それでは健康とはどういう状態を指すのだろう。一般的には「健康とは身体が病気でない状態」と言われる。これには先天性疾患をもっているひとや高齢者は健康ではないのかという疑問が残る。WHOは「健康とはただ単に疾病や異常がないばかりでな...