千葉大学法経学部 経済・総合政策学科 公共哲学のレポート
2001年9月11日にアメリカで起きた同時多発テロから6年が経とうとしているが、それについての問題は未だに山積みのままである。テロが発生してから、アメリカのブッシュ大統領はそのテロを「新しい形の戦争」と呼び、このテロの首謀者であるとされているオサマ・ビンラディンのアルカイダへ武力的な攻撃を行っている。実際、アルカイダは国ではなくサウジアラビアにある組織であるため攻撃はサウジアラビアへと行っている。
しかし、そもそもこのアメリカを中心としたサウジアラビアに対する武力行使は認められた行為ではないことが重要である。国際法では、国際関係での武力行使は禁じられている。その中では、武力行使に対する自衛権の行使だけが認められているのである。アメリカは自衛権の行使だと言い張り行っている。しかしそこにはいくつかの疑問点が出てくるのである。
まず、自衛権が認められるのは国と国との間に限られるのではないだろうか。テロ集団への武力攻撃を行うということは、そのテロ集団のある国へと攻撃するということだからである。この場合必然的にその国も関係国とならざるを得ないのである。しかし、その国自体がテロ組織と何ら関わり...