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課題2.⑦ケインズの理論における乗数効果について、乗数の決定要因をふまえて説明せよ。
はじめに、デフレ・ギャップについて整理したうえで、乗数効果メカニズムを考え、具体的な事例に触れながら「乗数効果」について論じ、現在の景気対策についても言及していきたい。
1 デフレ・ギャップ
働ける人はみんな働きに出た状態である完全雇用を実現する総需要に対し、現実の総需要が不足している場合、その不足分の大きさが『デフレ・ギャップ』になる。デフレ・ギャップを生じている場合は、有効需要が不足しているのだから、そのギャップを埋めるために、総需要を拡大する政策つまり財政拡大がとられるべきである。そこで、ギャップの大きさが500億円あるとして、この500億円埋めるために必要な政府支出の増加分はいくらになるのか。直感的に考えると500億円になりそうだが、それよりも少なくてすむというのがケインズ理論の『乗数メカニズム』である。
2 乗数メカニズム
それでは、乗数メカニズムについて具体的な事例を挙げて考えてみたい。
例えば、政府がA会社に100億円の公共事業を発注するとする。政府支出Gは需要項目の中に入ってい...