読書ノート39

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    ファミリーツリー 2010年7月3日 小川糸 私ね、自分では決して手が届かない部分を、大好きな人にだけ触らせてあげる行為だと思うの
    美貌と処世 2010年 林真理子 「男はえらくなるほど、ずぶぶぶと落ちていく快感を得たい」 「並みの秀才はさ、その十分間であと一問解こうとするんだけどさ、俺たち子どもの頃からのプロのガリ勉は、そんなこと絶対にしないよ。十分間で自分の解いた問題をチェックする。だって八十五点取れればいいんだもん。出来ない問題は手をつけない。これって俺たちの鉄則」 「こういう習慣が骨までしみついた俺たちがみんな東大出て官僚になる。だからむずかしいこと、出来そうもないことは、みんな自分がしないで後まわしにする。だって官僚ってそういうもんだから仕方ないの」
    ナニカアル 2010年8月6日 桐野夏生 気が付くと、やっと涙が流れていた。言われた内容に対して泣いたのではないことはわかっていた。一番好きな男が、私を根本から損ねていることに対する悲しみだった。そして、最後の別れに際して、思い遣りのない振る舞いをされた失意の涙だった。
    「終りって、何かの始まりだってよく言うけど、恋の終りって何...

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