脳梗塞患者の看護
病態概念
脳梗塞とは
脳の血液循環障害により、その血管の流域にある脳の組織が破壊,壊死に陥る状態である。原因は、脳動脈硬化により脳の血管壁が病的に変化し血栓が形成され、血流が阻害される脳血栓症と、心臓や頚部血管由来の栓子が脳動脈に引っ掛かって血流を阻害する脳塞栓症がある。 発症後数時間以内は、血行再開通にて脳の機能は回復可能である。急性期では、脳浮腫による周囲組織の障害、頭蓋内圧の亢進、梗塞巣の拡大、出血性梗塞への移行となりえ、脳細胞は非可逆的変化を来す。慢性期では、出血性梗塞が起こりえるが、全身状態は落ち着き梗塞巣の修復が行われる。
病態アセスメント
病期によって全く異なった病態を示す複雑な疾患であり、治療,看護に関しても各時期における病態を正確に把握し、対応していかなければならない。
症状
脳血栓では、病変をおこした動脈ごとにそれぞれ異なった特徴的な症状が現われる。
1.内頚動脈
1)無症状であることも多い
2)TIAの既往
3)反対側の不全麻痺(下肢より上肢・顔面に強い)
4)反対側の知覚障害
5)反対側の同名半盲
6)失...