佛教大学 漢文学 設題1(A判定)

閲覧数1,840
ダウンロード数3
履歴確認

    • ページ数 : 8ページ
    • 会員1,100円 | 非会員1,320円

    資料紹介

    タグ

    戦争政治思想司馬遷史記外国対策個人

    代表キーワード

    佛教大学漢文学

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    『司馬遷が史記を著述するにあたっての、その現実的問題について』
     司馬遷のしるした『史記』が、後世の『漢書』、『後漢書』などと決定的に異なっているのは、まずそれが一王朝史ではなく、五帝より以後、夏、殷、周、秦、漢と六時代二千数百年におよぶ通史となったことである。『漢書』ならば、そこに描かれるのは前漢一代二百三十年にすぎない。
    中華において通史というものは、司馬遷まで存在しなかった。さらに言えば、紀伝体というものを新たに始めたのも、この『史記』である。中国では史書の叙述形式には編年体、紀伝体、記事本末体の三つがあるが、それまで普遍的であったのは編年体で、『史記』以後、清朝の乾隆帝が定めることとなる正史二十四史は、全て紀伝体で書かれることとなった。
    中華の歴代王朝においては、打倒した前王朝の史書が連綿と編纂されてきた。「しかし司馬遷は、確かに武帝の特別な計らいを受けてはいたようだが、勅命を受けた形跡はない。また勅命によってそれを監修した人物も、またそのような協力者も見つかっていない」(『史記と司馬遷』伊藤徳男)。
    つまり『史記』は、司馬談、遷父子による個人の著作ということになる。武帝が特別...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。