1.幼児期には、おもに運動機能の発達に応じて基本的な生活習慣のしつけが始まる。生活習慣とは、毎日の生活の中で規則的に繰り返される行動型をいうが、それを必要なときに自立的にできるようにしていくためには、いくつかの条件が整わなければならない。ここでは、基本的な生活習慣とその発展的意義について理解したい。
2.子供が言語を習得し、その能力を発達させていくことは、知的・社会的発達を実現していく上で重要な意味をもつ。言語の発達は種々の側面を持つが、機能的側面から見ると、まずコミュニケーションの手段として獲得され、発達過程でその他の機能が分化していく。ここでは、分化過程を実証的に理解したい。
1 「なんでも自分でやってみましょう。」私には、2歳と5歳になる娘がいる。この言葉は、保育園からのおたよりに書かれていた。娘たちの年齢は、まさに幼児期にあてはまる。「子どもが小さいころのしつけは大事よ。十分なしつけがされていないと、成長してから困るのは子ども自身だから、しっかりやりなさいよ。」とよく実母に言われることがある。
私が「しつけ」と聞いて思い浮かぶのは、あいさつや自分のことは自分でするということだが、幼児期に必要とされる基本的生活習慣には、下記の5つの項目がある。
第一に、食事の習慣である。食事を自分で食べること。食事・間食に規則性ができる。
第2に、睡眠の習慣である。就寝・起床時刻が定まる。
第三に、排泄の習慣である。排泄行動が自立する。
第四に、着脱衣の習慣である。服や靴を、自分で着脱できる。
第5に、清潔の習慣である。顔を拭く、歯磨き、うがいなどができる。
また、基本的生活習慣のなかに、安全の習慣が含まれる。安全の習慣には、交通ルールを守ることなどがある。
上記のような基本的生活習慣の形成には、いくつかの条件が整うことが必要である。習慣形成の時期として...