刑法答案練習 社会的法益
~写真コピーと文書偽造罪~
【問題】
Xは、エックス線技師の資格を偽るため、A県知事Bの記名押印のある他人の真正な診療エックス線技師免許証を電子複写機により写真コピーし、その写真コピーに自己の本籍地・氏名などを手書きで改ざん・記載した上で、さらに電子複写機により写真コピーを作成し、これを資格証明の資料として、就職申込先に提出した。
【問題点】
1)写真コピーは文書偽造罪の客体となるのか。
2)写真コピーを作成することが「有形偽造」といえるか。
(…写真コピーの作成名義人は誰か。写真コピーの方法によって原本の作成名義の冒用があるといえるか)
3)有形偽造とすると、本権の写真コピーは有印公文書であるか。
【見解】
・上記1)について
判例では、原本の写しであっても、原本と同様の社会的機能と信用性を有するものと認められる限り、刑法上保護の必要があるとして、写真コピーの文書性を肯定している。
・上記2)について
…特に写真コピーの作成名義人が誰かが問題となる。
→判例は、原本と同一の意識内容を保有する原本作成名義人名義の文章とした。
・上記3)について
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