片麻痺を呈した患者の歩行・動作についてのレポート
1.一般的な特徴(①)
一般に脳卒中片麻痺患者の麻痺の経過は発病当初の患側の上下肢は弛緩性麻痺であるが、一部の症例を除いて一定期間が経過すると痙性片麻痺歩行に移行する。上位運動ニューロンの障害として痙縮を伴った運動麻痺によって特徴的な歩行を示す。痙縮は上肢では屈筋群に、下肢は伸筋優位である。また、運動麻痺の回復の程度によるが共同運動が優位である時は足関節は内反尖足位となる。足関節の背屈、膝関節の屈曲がおこりにくいために離床性は悪く、支持能力も低い。片麻痺歩行の特徴を下に述べる。
立脚期(⑦)
立脚初期
患脚に体重負荷すると、しばしば(足底屈筋を含む)伸展協同運動が起きる。足関節は底屈位になり、足底同時接地か痙性が著明な場合はつま先接地になる。しばしば内反が伴い、これが強いと体重負荷が困難になる。
立脚中期
患側に荷重が加わると下腿三頭筋の緊張は強くなって、足関節の背屈が困難となり、健側を患側の前に足を運ぶのが困難になる。また股関節の伸展が不十分なこともこの原因となる。健側の遊脚期は短くなり、そのため歩行リズムが乱されて歩幅は不揃いになる。
立脚後期
大腿四頭筋の緊張が強いと緊張がこの...