酸性雨による環境破壊・健康障害について述べなさい。
近年、酸性雨という言葉を耳にする機会が多くある。木々を枯らす、建物を溶かす、人体に悪影響を及ぼすなどの話は誰でも一度は聞いたことがあるであろう。では、その酸性雨とは具体的にはどのような物をさすのであろうか。
1,酸性雨の発見
酸性雨という言葉を最初に用いたのはイギリスでスモッグや森林の立ち枯れ、湖の魚の死滅や建造物などを研究していた化学者ロバート・アンガス・スミスである。1872年に出版した「大気と雨」の中で「ACID RAIN」として使ったのが始まりといわれ、それを日本語に直訳したものが「酸性雨」である。
2,酸性雨とは
酸性雨は、大気汚染により降る酸性の雨のことを指す。科学的定義としては人為的にpH5.6~5以下の雨のことを酸性雨としている。その理由は、通常の雨はやや酸性だからである。中性にはならないのは、雨が純粋な水ではなく大気中に僅かに含まれる二酸化炭素や火山活動により生じた硫黄酸化物などが自然に溶け込むためである。 近年、pHが低い雨が観測されるようになり、酸性雨として問題視されるようになった。日本で観測される雨の平均的な...