パラダイム構築への貢献とその比較
<パラダイム構築への貢献の比較>
二つの方略のうち、クーンパラダイムのような科学を大きく進歩させる可能性がある方略は演繹法的方略である。
<まとめ>
つまり、科学的知識を法則の集合として体系化する場合、帰納法的方略が効率的であるが、(1)最終的な解答にたどり着くまでは適切な解答を提供できないことや、(2)法則的集合がもつデメリットをそのまま受け継いでしまうという二つの欠点がある。科学的知識を公理的・因果プロセス的形態として体系化する場合、演繹法的方略には、(1)より効率的で、(2)次第に科学的知識を向上させることができるという二つのメリットがある。
<問題提起>
次節では、演繹法の基本的な問題点であるアイディアの獲得と帰納法の問題点である科学的革命の欠如を解決するにはどうすればよいのかについて、第三の研究方略を紹介することで考察していくことにしよう。
新たなアイディアの入手方法
新たなアイディアとは、(1)新たな概念や、(2)新たな因果関係を考えつくことであり、これらがクリエイティブだと思われる必要がある。
以下では、新たなアイディ...