『現在は情報社会さらには知識社会と呼ばれているが、その社会にあっては知識を扱う教育はきわめて重要である。基礎基本の学力と教育格差と経済格差との関連について論ぜよ。また格差問題を解決するうえで教育方法はどのようにあるべきか。』
現代の社会は「情報社会」とも、「生涯教育社会」ともいわれ、さまざまな情報にアクセスする機会や、教育を受ける機会は、これまでのどの社会と比べて格段に広がっており、学校だけが教育の場ではないという認識が、すでに私たちの間では常識になっている。しかし、その一方で、近年「教育改革」の名のもとで、学校教育は大きく変えられようとしている。国が全国一律の基準を定めて、どの地域の学校でも同じような内容と同じようなレベルの教育を実施させてきた従来の仕組みを変え、それぞれの地域と学校の意欲を引き出し、特色があり、個性的で創意工夫に満ちた教育活動を実施させていく仕組みへと転換が図られている。
2003年に中央教育審議会が「初等中等教育における当面の教育課程及び指導の充実・改善方策について」を出した。その中では、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を...