社会法とは何であるか、またなぜ社会法が必要になったかについて述べなさい。
慣習の法源性について述べなさい。
法の解釈方法について、具体的事例を取り上げて論じなさい。
判例の法源性について論じなさい。
社会法とは何であるか、またなぜ社会法が必要になったかについて述べなさい。
社会法は、公法および、私法のいずれにも属さない法領域を形成するものであり、私法の原理を尊重しつつ、これを公共の福祉の立場から社会政策として統制・修正を加え、国民経済の正常な運営と社会的弱者の保護と実質的平等の実現の確保を目的とする法体系である。
個人に自由な法律関係の形成を許容する私的自治の原則は、自由主義的資本主義経済体制の要求によく適合するものであり、その発展に対して偉大な貢献を果たす積極的な役割を演じた。しかし、資本主義の自由主義経済の発展・隆盛は、一方において大資本による企業の集中・独占化をもたらし、他方において貧困・劣悪な労働条件・失業・疾病などに苦しむ無数の無産労働者階級を生み出していった。本来、自由・平等・独立であるべき人びとの間に支配と隷従の関係が生まれ、隷従を余儀なくされた無産労働者はその社会的生存をも脅かされるにいたった。
このようにして、元来、個人の最大限の自由な活動の保障という消極的役割しか期待されていなかった国家は、経済的強者の自由な活動に対して干渉ないし統制を加え、社会的弱者に対して健...