道徳教育の研究、科目最終試験の解答例です。
道徳教育の意義について述べよ。
「道徳」とは、広辞苑によると、「人のふみ行うべき道。法律のような外面的強制力を伴うものでなく、個人の内面的なもの」と定義づけされており、法的な拘束力はないが、人間としての生きる道であることが伺える。しかしながら、日高六郎が「道徳は社会規範の一つであり、ある程度強制されるもの」であると述べるように、道徳には、個人の自由性に支えられている部分と、社会から強制されている部分の二つがあるとも言われている。このことから道徳は、ある社会・時代において人々の規範の総体であるが、社会・時代が変わると、摩擦が生じてくるのも事実であるといえる。
道徳を子どもたちにどのように教えるかが道徳教育であるが、道徳教育は、学校の中だけで行われるものではなく、家庭教育や社会教育の中でも行われるべきものである。また、教育基本法第1条及び第2条において、道徳教育の本質が述べられている。
道徳教育の意義を述べるにあたって、述べなければならないのは、カントとデューイの道徳教育である。
カントによれば、教育は、他律的な自然的教育と自律的な実践的教育の二つによって成り立っており、本質的に人間は、自...