「 自然状態(自然権と自然法) 」
すべての存在は自己保存の欲求をもっている。だから自然状態の人間は自己保存のために、あらゆることをなしうる自由(権利)をもつ。しかし、もし、この文字の通りに各人が無制限にこの自然のままの自由(自然権)を行使してしまったら、万人の万人に対する闘争が生まれる。そこでこの自由を内容のあるものにするために、自然法があるのである。すべての人々は理性の声(自然法)に従って、自然権を放棄し、権利と義務をはっきり確定して、お互いがこれを尊重することによって平和が得られる。
ホッブス(Thomas Hobbes)はこういった考え方の後に、社会契約によって成立する市民社会が成立するとした。そして、その社会を維持するためには絶対的な君主権が必要だと説くのである。
ホッブスによれば、人間は生まれながらにして平等、人間の心身の諸能力は、総合的にみれば平等であるとされる。そして、この平等性を信じられない者は、自分が一般大衆よりもはるかに知恵をいだいているからであるとされた。 私は別にこのように考えている訳ではないが、すべの人は生まれながらに平等ではないと思う。ホッブスは他の...