教師論 1単位目
★教員養成の歴史について論述せよ(制度と理論の面から)
1、教員養成の歴史は、明治5年の「学制」に先立つ数カ月前に、教員養成を行う学校「師範学校」の設立とともに始まった。東京から始まり、全府県に師範学校が設立されるにはさらに4年ほどかかったものの、師範学校という教員養成機関を国の制度によって設立するというのは従来の日本には存在しなかっただけに、いかに明治政府が教育を国の責任において進めるという意思を強く持っていたかをうかがわせるものである。しかし、教員としてどのような資質・能力が求められるかについては抽象的であり、整備が十分にされているとは言い難かった。14年に公布された「小学校教員心得」には知識才芸を養うよりも儒教的道徳教育を優先するべきだということになり、欧化政策に反省を促し、教育政策にしても転換を図るべきであるとした。
「師範学校令」は明治19年に公布された。この規定に記されている「順良信愛威重」は、師範学校で教育すべき最重要課題となった。また、学科課程の基本的制度が定められた。これにより英語が必修、男子体操に兵式体操が加わった。寄宿舎内の生活は、起床、就眠、...