1 道徳の意義とその教育の必要性について論述せよ。
3 現行の学習指導要領により小学校における道徳教育の目標について述べよ。
1 道徳は、人と人との関係の中での望ましい生き方を意味している。例えば、礼儀、感謝、思いやりなどは、互いに人格を尊重しようとすることから生まれる望ましい生き方の現われである。さらに道徳は、具体的に、人間社会の中で人間らしく生きようとする生き方という意味をもっている。人は社会集団の中で、なんらかの役割を果たしながら生きている。そして、権利・義務や責任を通して互いに社会連帯の意識をもり、進んで公共の福祉に努めようとするのである。人はまた、人間関係の中ばかりでなく、自然の中でも生きている。自然の恩恵なしには、人は一日たりとも生き続けることはできない。このように道徳は、自分自身に関する面、他の人や社会集団にかかわる面、あるいは自然や崇高なものとかかわる面を合わせもっている。そして、それぞれの面において、人間らしいよさを求め、人格の形成を図っていくところに道徳の意味があるのである。以上より、道徳教育は、児童のよりよく生きようとする願いにこたえることを前提として、人格を形...