私は公立小中学校における学校選択制度の導入には、反対の立場である。以下にその理由を三点述べる。
第一に、選択制度が実施されると、学校ごとに人数格差が生まれるためである。集中校と減少校が生まれるのだ。それによる問題点は、減少校の場合、「いったん悪い評判が決まると、問題を抱えた子どもたちが多く入ってくるようになるため、学校はますます難しくなる」(足立区教師)という悪循環が指摘されている。集中校の場合、「施設いっぱいまで生徒を入れるので、過密になって大変。生徒たちの活動のエネルギーはどうも落ち着いているようという気がするが、それでも規律をきちっとさせて、評判を維持しなくてはいけないので、管理的に指導する面もあって前よりずっと大変になっている」と集中中学校の教師は問題点を語る。
第二に、上下格差の形成・拡大について指摘したい。親たちが学校を判断する基準は、どうしても、進学状況に頼ることが多い。学力レベルが高い高校への進学率を見て、中学を選び、荒れの少ない小学校を選ぶ傾向が出るのは当然のことである。
全国に先駆けて学校選択制を導入した品川区の若月教育長は、「何よりもまず、学校の先生に変わってもらいたいと思って実施しました。その効果は、いたるところに現れています。
公立小中学校における学校選択制度について考える
私は公立小中学校における学校選択制度の導入には、反対の立場である。以下にその理由を三点述べる。
第一に、選択制度が実施されると、学校ごとに人数格差が生まれるためである。集中校と減少校が生まれるのだ。それによる問題点は、減少校の場合、「いったん悪い評判が決まると、問題を抱えた子どもたちが多く入ってくるようになるため、学校はますます難しくなる」(足立区教師)という悪循環が指摘されている。集中校の場合、「施設いっぱいまで生徒を入れるので、過密になって大変。生徒たちの活動のエネルギーはどうも落ち着いているようという気がするが、それでも規律をきちっとさせて、評判を維持しなくてはいけないので、管理的に指導する面もあって前よりずっと大変になっている」と集中中学校の教師は問題点を語る。
第二に、上下格差の形成・拡大について指摘したい。親たちが学校を判断する基準は、どうしても、進学状況に頼ることが多い。学力レベルが高い高校への進学率を見て、中学を選び、荒れの少ない小学校を選ぶ傾向が出るのは当然のことである。
全国に先駆けて学校選択制を導入した品川区...