戦後の日本経済を復興期、高度成長期、石油ショック以降の三つに分けて特徴を述べようと思う。
1945年から1960年頃までを復興期と考え、特徴を述べる。敗戦直後の日本政府は、戦時経済から自由経済への移行を目指した。そのために、軍事物資を民間に払い下げ、また民間に資金が必要と考えて、軍人に対する支払いなどで多額の資金を民間に供給した。これによるマネー・サプライの急増と、生産能力低下による供給不足・戦時中から蓄積されていた需要などにより、戦後初めてのインフレが起きた。政府はそれを、新旧円の切替えと預金封鎖により流通貨幣量を縮小させることで押さえ込んだ。
経済封鎖の下で、日本経済は縮小再生産に向かっていた。それを打開するために1946年から、鉄鋼産業と石炭産業の二部門を軸として、資源をこれらの産業に重点的に投入し相互拡大的に鉱工業生産を引き上げるという傾斜生産方式を始めた。その後二回目のインフレが始まった。それは、傾斜生産方式を財政的に支えるために、復興金融金庫が復興金融公庫債を発行したが、その大部分を日銀が引き受けたので、マネー・サプライが拡大したからであった。このインフレに対して、政府は経済統制で対処しようとした。
経済発展論レポート課題
第二次世界大戦後の日本経済の特徴
戦後の日本経済を復興期、高度成長期、石油ショック以降の三つに分けて特徴を述べようと思う。
1945年から1960年頃までを復興期と考え、特徴を述べる。敗戦直後の日本政府は、戦時経済から自由経済への移行を目指した。そのために、軍事物資を民間に払い下げ、また民間に資金が必要と考えて、軍人に対する支払いなどで多額の資金を民間に供給した。これによるマネー・サプライの急増と、生産能力低下による供給不足・戦時中から蓄積されていた需要などにより、戦後初めてのインフレが起きた。政府はそれを、新旧円の切替えと預金封鎖により流通貨幣量を縮小させることで押さえ込んだ。
経済封鎖の下で、日本経済は縮小再生産に向かっていた。それを打開するために1946年から、鉄鋼産業と石炭産業の二部門を軸として、資源をこれらの産業に重点的に投入し相互拡大的に鉱工業生産を引き上げるという傾斜生産方式を始めた。その後二回目のインフレが始まった。それは、傾斜生産方式を財政的に支えるために、復興金融金庫が復興金融公庫債を発行したが、その大部分を...