「具体的な作品を挙げながら文学の種類をジャンル別にまとめ、それぞれのジャンルの特徴について自分の考えを述べよ。」
現在、文学のジャンルは多岐にわたり、それぞれのジャンルにおいても様々な技法や形式が存在している。私のこれまでの読書経験の中から、それらをジャンル別に取りあげ、それぞれのジャンルの特徴について述べていく。
今回私が取りあげるのは、随筆と幻想文学、口語象徴詩(口語自由詩)の3つのジャンルについてである。そしてそれぞれにおける作品を考察し、ジャンルの特徴について述べていく。
―随筆―
随筆とは、筆者の体験や読書などから得た知識をもとに、それに対する感想や思索、思想を散文によってまとめたもの。日本における随筆の起源は清少納言によって書かれた『枕草子』であるとされる。これに加え、『方丈記』『徒然草』が三大随筆とされている。
その中でも『徒然草』が、私にとって一番印象深い。『徒然草』において、兼好は「つれづれなるままに」、人間観察と人間理解の観点からの描写において、様々な場面を目撃したり、聞いたりしたことから、「心にうつりゆくよしなし事」を「そこはかとなく」書きつけている。その...