先ず、最初に「集団」と「集合」の定義を基に集合とは何かを論じることにする。
この両者は必ずしも概念的定義は明確ではないが、「集合」とは単なる人々の集まりと呼ぶのに対し、「集団」とは少なくとも社会心理学ではそこに含まれる人々の間に何らかの相互依存関係ないし、相互影響過程が存在するものと称し研究の対象とされてきたといえる。
集団を単なる集合から区別する基準としては、対面的な相互作用の存在、目標や価値規範の共有、地位、役割関係の分化、成員の所属意識(集団成員性に基づく自己規定)があげられる。
言い換えれば、集合とは、そこには相互作用がなく、思考能力もない、逆に言えば操作しやすい人の集まりと言い切るのも過言ではないのだろうか。そこに集合行動の社会心理の謎が隠されているのであろう。
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「集合行動の社会心理につて論ぜよ。」
先ず、最初に「集団」と「集合」の定義を基に集合とは何かを論じることにする。
この両者は必ずしも概念的定義は明確ではないが、「集合」とは単なる人々の集まりと呼ぶのに対し、「集団」とは少なくとも社会心理学ではそこに含まれる人々の間に何らかの相互依存関係ないし、相互影響過程が存在するものと称し研究の対象とされてきたといえる。
集団を単なる集合から区別する基準としては、対面的な相互作用の存在、目標や価値規範の共有、地位、役割関係の分化、成員の所属意識(集団成員性に基づく自己規定)があげられる。
言い換えれば、集合とは、そこには相互作用がなく、思考能力もない、逆に言えば操作しやすい人の集まりと言い切るのも過言ではないのだろうか。そこに集合行動の社会心理の謎が隠されているのであろう。
ここで、ル・ボンの思想の中心である「群衆心理」(1985年)の理論を基に、集合行動の社会心理について述べていくことにする。
日常的な行動からすれば特異的な社会行動、例えば「暴動」とか、「流行」あるいは「社会運動」といった事象は、特に、社会変動期や過渡期に...