「生きる力」の育成と道徳教育について述べよ。
「生きる力」の育成と道徳教育について述べよ。
道徳教育は、戦前の修身科が停止された直後の昭和22年に取り入れられたとされる。この当時の学習指導要領は、教師のための「手引書」として作られ、授業をする際の参考すべきものといった位置づけであった。しかし昭和33年の改訂で、「道徳」の時間が特設され、学習指導要領の法的拘束力も増す事となる。そして幾度かの改訂を重ね、現在その学習指導要領・総則には「学校における道徳教育は、学校の教育活動全体を通じて行うことを基本とする」とあるように、道徳教育は道徳授業のみならず、各教科、特別活動、総合的時間の学習などを通して行われる、我が国の教育基本法及び学校教育法に定められた教育理念の根幹を指導するものになってきたのである。それも、道徳教育は真に人間らしい人間の育成を目指す教育であり、全人格の基盤をなす道徳性の教育に焦点を当てたものだからであろう。現在の学習指導要領では「生きる力」の育成が大きくクローズアップされている。そこで次からは、生きる力の育成と道徳教育について考えていきたい。 1996年、第15期中央教育審議会(中教審)は、第一次答申において、子ども...