地産地消で自給率をあげる
アメリカに次ぐ経済大国ニッポン。物心ついたときからの日本の印象だ。ただ、私自身は田んぼが一面に広がる田舎で、田んぼの手伝いをし、祖母が畑で野菜を作るのを見て育った。
テキストにもあるように、高度成長期までは日本人の多くが農家だった。私の母も父も祖父母もその親も代々家と田畑を継いできた。会社で働く傍らで田畑の世話をしている祖父母を見て育った。田植えや稲刈りを手伝うのも年中行事だった。子供心に、農業とは仕事ではなく生活の一部のように感じていた。しかし、それは過去のことである。もう20年以上前の昭和の話である。現在、祖父母が田んぼなどの余った土地を売却し、そこにマンションが建った。体が弱ってからは、家庭菜園程度に畑をしているが、もう収穫した米を農協に買い取ってもらうこともないそうだ。つまり、農作物を生産することで生計を成り立たせる『農業』ではなくなってしまった。
この20年の間にこうした農家が急増したのだろう。核家族化が進み、親から家や土地を引き継ぐことが少なくなり、少子高齢化による後継者不足、そして何より、食糧の輸入自由化による価格の低下により農業が生業として成...