近代社会と功利主義

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    近代社会と功利主義
     私たちの生きる社会は近代社会である。この近代社会を規定する要素の一つとして、功利主義がある。本論では、倫理思想のなかでも近代社会と不可分の関係にあり、現代の私たちに多大な影響を与えている功利主義について検討する。そのためにまず、創始者であるベンサムやミルの議論を通して功利主義の原理をみていく。次いで、功利主義と近代社会の関係との関わりについて検討する。
    功利主義は、「人間は誰でも自らの幸福を追求する」という前提から出発する。そのうえで幸福の実質を快楽とみなし、その快楽を有用なもの、効用を一切の価値の根底に据える。このような幸福を快楽のうちに認め、功利の原理を立て、それにもとづき道徳理論を基礎づけたのはベンサムである。

    功利の原理とは、快楽と苦痛の増減によってそれぞれの行為の善悪を決める原理を意味する。すなわち、ベンサムは善悪の判断基準を、快楽と苦痛の増減、つまり「量」として捉え、より多くの快楽をもたらした行為を善とみなしたのである。したがって、行為の結果としての快楽と苦痛の計算、つまり「快楽計算」が正しい行為の基準、道徳的価値のモノサシになるのである。

    また、...

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