教育の原理
『教育の歴史』
日本には幼稚園がある。小中高、大学が整っている。義務教育を受けるのに経済的ステータスは問われない。学ぶ場所に男女差別はない。私たちはこういった教育の現場に驚くことはないだろう。また、他の多くの国でも状況は同じかそれに近い。だがこれは当たり前ではなかった。先人たちは教育の目的を達するために、様々な指導方法を考え出し、制度を整え、より開かれたものとしてきた。このレポートでは、古代から近代までの教育の歩みを、重要事項人物を中心に説明する。4つの観点(目的・方法・対象・制度)に分けて説明する。
まず、教育の目的について。それぞれの時代・場所で様々なものが考えられた。ここでは「具体的か理念的か」に分けて説明する。スパルタの軍国主義教育や、アテナイの民主的教育が共通して持っていた意識、それは「国防」であった。また、ルネサンス期の宗教改革では「誰もが聖書を読むことができるように」なる事が目指された。腐敗していた教会の宗教的支配から脱するためであった。近代スイスの教育者ペスタロッチにとって教育とは「貧困からの脱却」であった。都市化・工業化が進んだ近代においては労働者を効率良...