このレポートでは郵政民営化のメリット・デメリットについて考え、それを考慮したうえでの自分の意見を述べることにする。
まず、郵政民営化のポイントをおさらいしてみる。
第一に、政府が株式を三分の一以上保有する持ち株会社を設立し、その傘下に、郵便事業株式会社、郵便局株式会社、郵便貯金銀行、郵便保険会社を置いたうえ、金融二社については民営化後10年目に持ち株会社が株式を全額売却して、民有・民営とすることである。
そもそも郵政改革をしなければならなかった理由とはなんだったのか、
を考えることが重要である。小泉首相の主張に、「郵政事業を行うのが。なぜ公務員じゃなきゃいけないのか」という発言があるが、これが「公務員リストラ策」として有権者の賛同・共感を得たのは、官業ゆえの甘えを排することに、郵政改革の本質を見ていたからだと推測されるが。
しかしながら、郵政民営化の意義を、巨大官業の優位性を取り払い、民間企業とのフェアな競争を確保する点のみに見出すことは、正しい理解だとは思えない。
その本質は、郵政三事業の中でも、郵便貯金と簡易保険に集約される金融事業のジリ貧状態を食い止め、持続可能な...