動詞allowとpermitの統語的・意味的相違を探る

閲覧数2,356
ダウンロード数3
履歴確認

    • ページ数 : 10ページ
    • 会員1,320円 | 非会員1,584円

    資料紹介

    1. 目的および方法
     動詞allowとpermitは、同じ「認める」という意味を持つ動詞ではあるが、はたして両者の間には相違点があるのだろうか。数種類の類語辞典を調べてみたところ、allowは「承諾の意思」を表し、permitは「(allowよりも) 積極的な許可の意思」を表すということがわかった。しかし、両者にはどのような構文が用いられ、またどのような使い分けがなされているのであろうか。ここでは、両者の相違点を統語的なアプローチと意味的なアプローチの両面から分析する。それによって一般辞書や類語辞典には記述されていないような各単語本来の特徴を見いだすことができるであろう。
     まずは原点に立ち戻って、それぞれの単語の語源を分析することから始める。単語本来の意味を知ることで、現在の意味の深層に秘められた意味を見いだすことがある程度できるからである。次に数種類の辞書の該当する記述内容を比較・検討して、両者の相違点や特徴を類推する。辞書は現在日本で出版されている主要3冊を用いた。そして、コーパスを用いて新たに両者の相違点や特徴を類推する。コーパスは、Bank of EnglishのCOBUILD Directとアメリカ英語のBrown Corpus, イギリス英語のLOB Corpusを使用した。またこれらのコーパスのコンコーダンスツールとしてWordSmith (Mike Scott氏作) を使用した。そして最後に語源や辞書から得られた結果とコーパスから得られた結果とを総合的に比較し、結論を導きたい。
    2. 各単語の語源の分析
     allowはもともと古代フランス語で別々の語であったものが音韻上の一致から同一語と見なされ、praise, commandとbestow, assignの両方の意味を併せ持つ1つの語として英語に入ってきた。この2つの意味が融合・混交して意味の拡大が起こり現在に至る。このことからallowの深層には、身分の高いものが相手に対して何かを許可して「恩恵を与える」という意味があるのではないかと考えられる。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    動詞allowとpermitの統語的・意味的相違を探る
    1. 目的および方法
    動詞allowとpermitは、同じ「認める」という意味を持つ動詞ではあるが、はたして両者の間には相違点があるのだろうか。数種類の類語辞典を調べてみたところ、allowは「承諾の意思」を表し、permitは「(allowよりも) 積極的な許可の意思」を表すということがわかった。しかし、両者にはどのような構文が用いられ、またどのような使い分けがなされているのであろうか。ここでは、両者の相違点を統語的なアプローチと意味的なアプローチの両面から分析する。それによって一般辞書や類語辞典には記述されていないような各単語本来の特徴を見いだすことができるであろう。
    まずは原点に立ち戻って、それぞれの単語の語源を分析することから始める。単語本来の意味を知ることで、現在の意味の深層に秘められた意味を見いだすことがある程度できるからである。次に数種類の辞書の該当する記述内容を比較・検討して、両者の相違点や特徴を類推する。辞書は現在日本で出版されている主要3冊を用いた。そして、コーパスを用いて新たに両者の相違点や特徴を類推する。コ...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。