「家庭科における題材・教材選びの留意点と具体的な学習展開について」
近年の子ども達は、核家族や共働きの家庭の増加、日常生活の便利化などで、家族との積極的な関わりや、家庭の意味・役割を理解する機会が少なくなっている。また、包丁やコンロの使い方を知らなかったり、掃除や買い物経験が殆どないという子どもも多い。そのため、急速に変化する社会において、今後は自分で考え判断し、行動する能力や生きる力が必要となってくる。そしてそれを育成するためには、これからの家庭科において、児童の生活実態や興味・関心に応じて適切な題材・教材を選ぶことが大切である。
小学校学習指導要領の学習内容
従来の小学校学習指導要領は、衣・食・住の3つの内容で構成され、題材が決まっていた。しかし、平成11年の改訂では、(1)家庭生活と家族(2)衣服への関心(3)生活に役立つ物の製作(4)食事への関心(5)簡単な調理(6)住まい方への関心(7)物や金銭の使い方と買い物(8)家庭生活の工夫の8つの内容に分けられ、教材・題材の指定がなくなった。さらに、地域や児童の実態に応じた内容にもなっている。平成23年全面実施学習指導(H20告示...