不動産賃貸借の重要問題
(賃貸借契約解除と信頼関係破壊の法理、賃料の自動増額特約の効力、解除明渡の要件事実)
参考判例
1 最判昭和43年11月21日(判時542号48頁)
2 最判昭和28年9月25日(判時12号11頁)
3 最判平成15年6月12日(判時1826号47頁)
1.(1)信頼関係破壊の法理
賃貸借契約:継続的契約関係→些細な義務不履行で恣意的な解除権行使は妥当でない
⇒背信行為理論
(2)無催告解除特約の有効性
信頼関係を基礎とする継続的契約であり賃借人保護の点から好ましくないが私的自治より原則有効
しかし、信頼関係破壊事実が必要
賃料不払いを理由とする解除の場合原則541条の催告が必要だが、信頼関係破壊事実があればOK
(3)明渡請求の要件事実
○訴訟物
多元説:個々の終了原因ごとに訴訟物が異なる
一元説:終了原因が複数あっても訴訟物は常に1個。個々の終了原因は原告の攻撃方法に過ぎない
∵明渡請求権は賃貸借契約の効果として賃借物返還義務を基礎におく
⇒賃貸借契約終了に基づく目的物返還請求権としての不動産明渡請求権
○要件事実
賃貸借契約の...